12月の誕生石タンザナイト

タンザナイトは12月の誕生石です。
名前の通り、タンザニアで採掘できる宝石で、紫がかったブルーカラーが特徴です。
鉱物学上はゾイサイトの仲間になり、正式名称は「ブルーゾイサイト」です。ゾイサイトは「灰簾石」とも呼ばれています。

タンザナイトはジュエリーに使われる宝石の中で、とても新しく、まだ歴史も浅いです。古いものでは紀元前まで遡る宝石がある中、タンザナイトが発見されたのは1967年です。
タンザナイトが採掘される場所は、世界で一か所だけで、タンザニアのメレラニ鉱山です。タンザニアのメレラニ鉱山で、ルビーを探していたマニュエル・ト・スーザーが、地元マサイ族の力を借りて、青色のゾイサイトを見つけました。それまで採掘されていたゾイサイトは、ピンク色や緑色のものしか産出されていなかったため、初めはサファイアだと思われていました。鑑定の結果、青色のゾイサイトだとわかりました。

ゾイサイトは、それまではピンク色や緑色のものしか産出されず、宝石として扱うには人気がありませんでした。初めは、青色のゾイサイトも、すぐには宝石としての価値が認められていませんでしたが、アメリカのティファニー社はその魅力を見出していました。そして、タンザニアの夕暮れの空の色のように神秘的なブルーな石であることから、ティファニー社によって「タンザナイト」と命名されました。
それから、ティファニー社はタンザナイトを「20世紀の宝石」と謳い、一躍注意される宝石となります。タンザナイトはジュエリー業界で劇的に人気になり、2002年には12月の誕生石として正式に加えられました。

タンザナイトの魅力の一つに「多色性」があります。多色性とは、見る角度を変えてみることで、色が変わって見えるという特徴です。多色性のある宝石の中で、タンザナイトは最も代表的です。
タンザナイトは角度によっては、青色が強く、角度を変えてみると紫色が強く見えたりします。タンザナイトは光種類によっても色が変わるので、宝石特有の神秘性を楽しむことができます。

タンザナイトの宝石言葉には、「高貴」「冷静」「神秘」があります。
タンザナイトの青や紫の色は、美しく神秘的な色合いです。タンザナイトの色合いをイメージできる宝石言葉が多い印象です。

・知性と冷静な判断

タンザナイトは、その神秘的な色合いからもイメージできるように、冷静で知的なパワーがあるとされています。持ち主の知性を高め、常に冷静な判断ができるようにサポートしてくれます。
また、創造力を高めてくれ、新しい発想やアイディアを出す手助けをしてくれます。

・落ち着きと思慮深さ

タンザナイトは落ち着きと思慮深さを与えてくれるともいわれています。人生において、選択をしなければならない状況は何度もきます。その時にも、より良い決断のサポートをしてくれ、明るい未来へ導いてくれます。

タンザナイトは他の宝石と比べて、少し硬度が低く傷つきやすいです。また、特定方向に割れやすい劈開という性質も持っています。強い衝撃を与えてしまうと割れてしまう恐れがあるので、注意が必要です。汚れが気になる場合は、中性洗剤を溶かしたぬるま湯か、水洗いがおすすめです。超音波洗浄機などのクリーニングは不向きで、おすすめできないです。

タンザナイトの正式名称はブルーゾイサイトです。特徴的な青さは、ゾイサイトにバナジウムが含まれることで発色します。さらに酸化クロムが加われば、より濃い青色になります。バナジウムや酸化クロムの含有量が少ないと、緑色になり、鉄分が多いとピンク色になります。緑色とピンク色のゾイサイトは、宝石としては人気がなく、ジュエリーとして見る機会は少ないです。
タンザナイトは産出量が年々減少しており、ダイヤモンドよりも稀少性が高いといわれています。
タンザナイトの産地はタンザニアです。